【日本酒塾】春酒インプレッションⅠ

春の頃

新入荷酒のご紹介。

 

  • 初孫(はつまご)  純米大吟醸 搾りたて 生酛造り 無濾過生原酒

・使用米 出羽燦々

・精米度 50%  ・アルコール度 16%
・日本酒度 +3 ・酸度1.4 

山形県酒田市。

立香は穏か。口中では軽やかで程よい吟醸香が続く。

入りとてもスムーズで滑らか。軽いタッチの中に酸と甘味が混在し生酛ならではの力強さも感じる。

とても上品な仕上がり。

酸の働きに◎、食中での存在感《大》・・味わいにドライ感もあり、米由来の甘味旨味が食べ物を欲しくなる。C/Pは大。

 ※私的に好印象

 

 

  • 真澄  純米吟醸 無濾過生原酒

・使用米 美山錦/ひとごこち

・精米度 55%  ・アルコール度 17%  ・酵母 ALPS
・日本酒度 -1 ・酸度1.7  ・アミノ酸度1.4

 

長野県諏訪市。

とても優しく上品な吟香、口中ではうっとりとした香りに包まれる。

入りとてもスムーズで穏やか。

味わい、和三盆糖の甘味と柑橘系の酸がジワリと広がる。

適度なオリが旨味を広げます。洗練、クリアー、エレガント、上質。

※私的に好印象

 

 

  • 綿屋(わたや)  綿屋(コットン)倶楽部  純米 生原酒

・使用米 ひとめぼれ

・精米度 60%  ・アルコール度 18%
・詳細不詳

 

宮城県栗原市。

香りは穏やか。口中も程よい香りが漂う。

入り力強さを感じ米の旨味が全開。

酸の立ち上がりもとても良く、その後の切れに続く。

新酒ならではのニガ渋感もある。旨味の密度高め。

日本酒らしい酒とお勧めしたいです。

 

 

  • 六歌仙  純米大吟醸 

・使用米 雄町

・精米度 50%  ・アルコール度 15%   ・酵母 山形酵母
・日本酒度 -1  ・酸度1.7  ・アミノ酸度0.7

 

山形県村山市。

雄町由来の吟香を感じつつ、強さを感じさせないレベルに漂うも満足感のある香り。

非常に洗練された雄町の味わい、穏やかに和三盆糖の旨味と米由来の酸、とても高いレベルで融合している。

六歌仙の酒では良い意味で今までに味わったことのないタイプの仕上がり。

酒自体が雄町から来る濃さを求めて醸されていない。

ある意味、裏切られた感じがします。こんな雄町の純米大吟醸が存在することに感動。

松岡社長との電話で「この酒はイレギラーです。この先、雄町の酒は醸しません。実はこの雄町米、うちの会長が雄町好きで間違えて仕入れたんです。」と。

この先プレミアムが発生するかもしれませんね。

久々の大人の美酒とお勧めしたい。

※私的に好印象

 

 

  • 大信州  仕込39号 特別純米 おり酒 無濾過生原酒

・使用米 ひとごこち

・精米度 49/70%  ・アルコール度 16%
・日本酒度 +11

 

長野県松本市

この酒、ただ者ではない。

私的な感想では純米大吟醸50%と同等に渡り合える味わいを感じます。

香りに若さと上質感。味わいは少しのガス感とグレープフルーツの酸を感じます。

甘味と渋感に酸の働きが素晴らしくスッキリと切れます。

この酒、ラベルなしです。荷造り札のみです。大信州のおり酒はホンの少量しか採れない酒です。

醪を絞った後タンクの中でオリ引き(酒を静置しておくとオリが底に溜まります。

その部分だけを集めた物をオリ酒と呼ぶ)をするのですがその際一升瓶で10~30本程度しか採れない酒です。

ごく一部のお店にだけ分けて頂ける酒なのです。

当店では2本分けて頂きました。

※私的に好印象

 

 

  • 大信州  八重原純米大吟醸 おりがらみ 無濾過生原酒

・使用米 ひとごこち

・精米度 49%  ・アルコール度 15%
・日本酒度 +2  ・酸度1.5

 

間違いの無い仕上がり。大信州ど真ん中。

香り、上品にして上質。グレープフルーツやパインの香りが鼻をくすぐります。

味わい・・米由来の甘味がとてもエレガント。滑らか、上品、上質、ビロード感。

しかし甘ダレ無し、酸がしっかり脇を固めているので安心して飲めます。

八重原米研究会の皆さんが八重原の大地で作った米の旨さが弾けています。旨し!!

久々の大人の美酒とお勧めしたい。

※私的に好印象

 

 

  • 大信州  風穴(ふうけつ)貯蔵 純米吟醸 無濾過原酒

・使用米 ひとごこち

・精米度 59%  ・アルコール度 16%
・日本酒度 +4  ・酸度1.6

 

香りは穏やかながらポッチャリした優しい吟香。幸せ感UP!

味わい、実に円やかな旨味が口の中を幸せにしてくれます。まろみ、甘味、穏やか。

切れも上々、酸の仕事がプロ、辛口に仕上がっています。

 

風穴は全国に約300カ所あるとされる。

一般の風穴の仕組みは、冬に穴の内外の温度差で空気が対流して穴の斜面の隙間が冷やされ、

そこで雨水などが氷になり、夏に冷やされた空気が吹き出すと考えられている。

大信州の関沢氏にお聞きしたところ、風穴内は年間を通じて5℃~8℃に保たれており常に微かな風が吹いているとの事。

電気貯蔵冷蔵庫との違いは同じ温度で貯蔵しても

①冷蔵庫は一定時間ごとに霜取り作業があり庫内の温度が数度上がる。この時、瓶に水滴がつく事で瓶内では対流が起きる。

②冷蔵庫内は冷気をファンで強制的に吹き付けている為、庫内の温度にムラが出来る。

③風穴では以上の事が無い為に酒にストレスがかからない。この為、同温、同期間の熟成を比べると風穴のほうがより良い熟成をする。

 

久々の大人の美酒とお勧めしたい。

※私的に好印象