【日本酒塾】 高木酒造 豊能梅

◎旨し酒を醸す蔵元のご紹介(たか田酒の会開催蔵元)
※は私的感想です。

・高木酒造   高知県  代表銘柄「豊能梅」

蔵元の案内状から
小さな蔵元として自らの存在意義を自問自答してみると、かつてそうであった様に「地酒は、その地の文化」として必要であると感じます。ところが、現状は業界自体が「崩壊した」とまで言われています。
しかし、私は思います。21世紀の超高齢化社会時代に魅力ある大人文化を演出し、心の豊かさや、やすらぎを提供してくれるものこそ日本酒なのではないでしょうか。その為にも、地域性豊かな美味しい酒に磨きをかけて、社会に愛され必要とされる日本酒ワールドを創って行きたいと思います。
土佐には、独自の米、水、微生物、人、気候風土があります。「豊能梅」はそれらの素材を活かし、愛情を込めた手作業で、食文化に溶け込む地域性豊かな美味しい酒に磨きをかけ、日本酒の魅力を創出してゆく所存です。
最も土佐らしい祭りといわれる地元「どろめ祭り」のメインイベント「大杯飲干し大会」の大杯に注がれる酒が弊社の「楽鶯 豊能梅」です。三代目久吉によって生まれたこの酒は土佐の酒文化を端的に表現できる、飲みやすく飲み飽きしない、そして流行に振りまわされず、土佐の地で脈々と受け継がれてきた地の酒です。
高知市より東へ25km。日本一小さな町「赤岡町」に「豊能梅」の蔵はあります。
「豊能梅」の酒は全て小仕込み、手造りです。最後の土佐杜氏「有沢国一」杜氏と五代目「高木直之」の二人三脚で造りに励んでまいりました。
有沢杜氏は昭和7年生まれ、高知龍馬空港のある高知県南国市の出身です。高知酒造、土佐鶴酒造を経て平成5年より「豊能梅」の杜氏として、土佐の気候に適した酒造りに励んで頂きました。全国新酒鑑評会では四年連続金賞受賞を達成。18酒造年度から引退をし、杜氏の技を五代目が引き継ぎ、社員体制で酒造りを行っています。五代目は、高知米「吟の夢」、高知酵母にこだわり、県新酒鑑評会で初の1位を達成、全国新酒鑑評会においても近年の4回の金賞は高知の素材で達成をするなど、土佐酒の魅力向上と発信に努めています。
高知県産酒造好適米「吟の夢(高育54号)」と高知県工業技術センターの開発した高知酵母を用い、土佐の素材100%で土佐の魅力満点の酒造りを目指します。
土佐の素材で最高の酒に挑戦した「純米大吟醸 龍奏」にはじまり、最もポピュラーな純米吟醸の「純吟 吟の夢仕込」、ワンランク上の土佐の純米酒を目指した「特別純米 吟の夢」まで、香味のコンセプトを分け、それぞれの魅力を追求しています。

共通して目指す部分は、「心地よい感動とともに始まり、食の現場とよく調和し、飽きず自然と杯が進み、飲み終えた後も爽快な余韻を残す。」と言う酒です。 この度、「龍奏」はフルネット主催のコンテスト「純米大賞2013」の純米大吟醸部門にて1位の「最高金賞」を受賞致しました。土佐の素材100%にこだわったこの酒が純米大吟醸という部門で認められた事を大変光栄に感じます。

※豊能梅、この酒との出会いは実に興味深い。こんな偶然があるとは・・・
たか田入居ビルの三階に鍼灸マッサージ店があります。そのお店のご主人 澤田さんは私の高校時代の同期生の一人と澤田さんが通われた大学での学友(悪友!?)だったのでした。そんな事もあり当店開店時から親しくさせて頂いています。二年ほど前、ご友人氏と飲みに来て頂いたときに「高田さん、高知の豊能梅って知ってますか?」と聞かれました。この時、実は豊能梅の酒が冷蔵庫に一本入っていました。一週間ほど前にと在る酒屋で店長から「中々良い酒ですよ」と言われ買い求めていました。
澤田さんは高知のご出身、高木氏とは高校の同級生。こんなわけでトントン拍子にご紹介頂き現在は定期的にお酒をお送り頂いています。又、わがままを聞きいれて頂きサイズの違う瓶に酒を詰めて頂いたり、社長の隠し酒をコッソリ分けてもらったり・・・と。
当店の酒の勉強会にて鑑評会出品酒系の酒の勉強会を開催した時、会の終盤にその日に飲んだ7酒の内、一番の酒を挙手して頂きました。最高点を獲りましたのは豊能梅の龍奏(純米大吟醸)でした。
豊能梅のどの酒も酒質は柔らかくしなやか、その中に一本しっかりとした芯があり実に清々しい。各種高知酵母の選定と地元米への愛着、そして計算しつくされた酒造り。仕上がりの良さは素晴らしいです。たか田の酒の中でも安心してお客様にお奨め出来る逸品です。